
愛犬・愛猫の健康のために、愛情込めたごはんを手作りしたい。
ワンちゃん・ネコちゃんの飼い主様なら、きっとどなたも一度はこんな風に思ったことがあることでしょう。
ペットフードの原材料と比べると、手作り食の材料はとってもシンプル。
自分で作れば、材料選びや調理法、保存方法なども管理できて安心です。
手作りごはんならあっという間に完食!
そんな姿を目にすれば、少々手間がかかっても作ってあげたいと思うのが”親心”なのかもしれません。
でも、手作り食をお勧めする獣医さんは少数派。
獣医さんたちが、手作りごはんよりもペットフードをお勧めするのはなぜなのでしょうか?
人間だったら、ファーストフードや加工食品よりも家庭料理の方が健康に良さそうですが。。。
なぜ、ペットの場合は手作りよりもドッグフードやキャットフードの方が優れていると考えられているのでしょうか?
一般家庭でペットの『総合栄養食』を作るのはとっても難しい
ペットフードには、『総合栄養食』といって、健康を維持するために必要なエネルギーと各栄養素の基準値を満たしたフードがあります。
また、健康状態に合わせて獣医さんから勧められるフードは療法食と呼ばれ、そのどちらにも属さないものは一般食に分類されます。一般食はトッピングやおやつなどで、補助的な食べ物として定義づけられています。
この中で、獣医さんがお勧めするのは、『総合栄養食』。
これとお水さえあげておけば、計算上、健康維持に必要なものはすべて摂取できるからです。
では、おうちで『総合栄養食』を手作りすれば、それがベスト!となるかというと、そうも簡単にいかないのが悩ましいところ。
まず、栄養計算がとても複雑です。通常の栄養計算とは違う方法なので、人間の栄養士ですら最初は手こずります。
また、仮に栄養計算ができたとしても、国内で一般に手に入る原材料だけで栄養基準を満たそうとするのは、至難の業。
近所のスーパーで手に入るものだけで、完璧な手作り食ができるか?といえば、答えは”NO”☹。
私たち人間のごはんを作るのと同じように、手軽にぺットの手作りごはんを作れればいいのですが、現実にはペットフードの手軽さには到底かないません。
手作り食で不足しがちな栄養素とは?
- キャベツ
- 鶏ささみ
- ごはん
- おから
手作りごはんをあげている飼い主様とお話ししていると、よく耳にするレシピです。
- ごはん(主食=炭水化物)
- 鶏ささみ(主菜=たんぱく質)
- キャベツ(副菜=ビタミン・ミネラル)
- おから(副菜=食物繊維)
とすれば、確かにヘルシーなイメージがあるかもしれません。
しかし、栄養計算をすると、とても偏りのあるレシピであることが分かります。
細かい栄養素の過不足について指摘し始めるときりがないのでここでは省略しますが、一つだけどうしても見逃せない大事な栄養素があります。
それは、カルシウム。
カルシウムは、手作りごはんで不足しがちな栄養素の代表格です。
人間でも、各年代でカルシウムの不足が指摘されており、乳製品や小魚などからより多くのカルシウムを摂取するのが望ましいとされています。
カルシウムは、骨や歯の成分としてだけではなく、筋肉の収縮や神経の伝達、血液の凝固などの働きに欠かせない栄養素。
不足してしまうと、これらの機能が正常に働かなくなってしまいます。
また、各栄養素には、不足により起こる「欠乏症」のほかに、摂りすぎによる「過剰症」もあります。
「なんとなくヘルシーだから」、と、イメージだけで栄養素の偏った手作りごはんをあげ続け、逆に体調を崩してしまった。。。
そんなケースがあるからこそ、獣医さんたちが市販のペットフードを勧めるのかもしれません。
手作りごはんはメリットもたくさん
- 毛艶が良くなった
- 食が細くて心配だったが、食べてくれるようになった
- 体力がついて、お散歩の距離が伸びた
- おなかの調子が良くなった
- 皮膚の調子が良くなった